呼吸器内科を受診される方へ
呼吸器内科は、主に呼吸に関係する臓器(簡単に言い換えると空気が通る場所すべて)の病気を内科的に幅広く拝見する診療科です。
呼吸器関連の代表的な疾患としては、風邪や上気道炎、気管支炎、肺炎などの呼吸器感染症、気管支喘息、咳喘息などのアレルギー疾患の他、肺気腫(COPD)、睡眠時無呼吸症候群、肺がんなども対象となります。
動くとすぐに息切れがする、いつまでも咳が長引いている、痰が切れにくい、胸部に痛みがある、といった症状がある場合は、呼吸器疾患の可能性が考えられますので、お早めにご相談ください。また、自覚症状がない場合でも、喫煙習慣などがあって呼吸器疾患が気になるという方も、どうぞお気軽にご相談ください。
呼吸器内科の症状と疾患
- 長引く咳や痰
- 息苦しさ
- 胸の違和感
- 胸の痛み
- 肺炎
- 気管支喘息
- 肺気腫(COPD)
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
呼吸器内科での検査・その他
- レントゲンで異常な影を指摘された方はCTで精密検査を行います。
- 禁煙外来(保険診療)を行っていますので、タバコをやめたい方はご相談ください。
気管支喘息について
気管支喘息は主にアレルギーや気道感染による慢性炎症が原因で空気の通り道が細くなって、咳が止まらなくなったり、ピューピュー音がしたり、息が吸いにくくなる病気です。
子供はアレルギーが関与している「アトピー型」が多く、約10%の方に発症しますが、半数以上は思春期までに改善します。
一方、大人は「アトピー型」が60%、「非アトピー型」が40%あり、なかなか治らないという特徴があります。
気道が細くなっても適切な治療を行なって炎症が落ち着けば元に戻りますが、年単位で放っておくと気道が厚くなって硬くなり、狭くなって元に戻らなくなります。息苦しさや咳があったり、呼吸で心配なことがあれば、早めに受診することをお勧めします。
診断するのに重要なのは問診で、診断には個々の状況を見ながら、以下の検査を行うことがあります。
・胸部レントゲン
・呼吸機能検査
・呼気一酸化窒素濃度(FeNO)検査
・血液検査
・胸部CT
また健常な人と比べて気道(空気の通り道)が敏感になっており、風邪やホコリなどの刺激が加わると、さらに気道が細くなって息苦しくなります。
これを「喘息発作」といって、以下のようないくつかの誘因がありますので気をつけるようにしましょう。
・風邪
・喫煙
・アルコール
・ストレス
・寒暖の差
・運動
・月経
・薬(解熱鎮痛剤:アスピリン喘息など)。
禁煙を考えている方へ
タバコってなんとなく体に悪いのは知っていると思いますが、なかなか禁煙できずに悩んでいる方も多いと思います。年々タバコの値段も上がっていますし、これを読まれている方は禁煙する良いチャンスかもしれません。
まずは実際のタバコの害について確認してみましょう。
・米国では肺がんの87%、脳卒中死の18%、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の82%はタバコが原因と考えられています。
・術後の呼吸器合併症は呼吸機能の正常な非喫煙者で1.6%、呼吸機能の正常な喫煙者で4.7%と3倍に、呼吸機能に異常がある喫煙者では16.5%と10倍に増加します。
・タバコによってなってしまった病気に対して多大な医療費が掛かることも大きな問題のひとつです。日本の統計ではタバコに関わる医療費、労働力の損失、火災による損失などで年間7兆3246億円に上ると推計されています。
具体的な数字が見えてくると、タバコの怖さがひしひしと伝わってきますね。次にいくつかの質問に答えていただき、ご自身がどれくらいニコチンに依存しているのか見てみましょう。
5個以上の質問に当てはまる方はニコチン依存症の可能性があります。
1.自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがあった。
2.禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがあった。
3.禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがあった。
4.禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがあった:イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加。
5.「4」の症状を解消するために、またタバコを吸い始めることがあった。
6.重い病気にかかったときに、タバコはよくないと分かっているのに吸うことがあった。
7.タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがあった。
8.タバコのために自分に精神的問題が起きているとわかっていても、吸うことがあった。
9.自分はタバコに依存していると感じることがある。
10.タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かあった。
さて、やってみた方はいくつの質問に当てはまりましたか?
ニコチン依存症と診断されれば保険適応になりますので、約13,000円の自己負担で5回の治療を受けることができます。
禁煙をお考えの方はご相談ください。